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一月十二日、開基性信上人の肖像を飾った坂東報恩寺本堂で、鯉魚料理規式 『俎開き』が行われる。
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雅楽の流れる中、土佐烏帽子に直垂姿の私ども四條流門人が中央に据えられ た俎の上の鯉をさばき、「長命之鯉」「龍門之鯉」など縁起のよい切形を披露 する。
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天福元年(西暦1233年)頃から、続けられている伝統の行事である。
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下総国岡田郡横曽根(現在の茨城県常総市豊岡町)で、性信上人が人々への 教化に励むなか、熱心に法話を聞きに来る老翁がいた。
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ある日「お導きによってやっと心が安まりました。どうかこの翁を弟子にして 下さい」と性信に懇願して"性海"の名をもらった。
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老翁は非常に喜び、「この恩は末永く忘れません」と言い残して飯沼のほとり に姿を消した。
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その後、大生郷天満宮の神主の夢枕に天神様が現れ「性信の聖は我が師である。 我は聖の教えにより長い間の煩悩から解放された。師の深いご恩に感謝するた めに御手洗の池の鯉二匹を性信上人へ毎年必ず届けるように」とのお告げを残 した。
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(このことから「性海」は人の姿を借りた天神様であったことが分かります。)
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以来780年あまりにわたり、途絶えることなく贈り続けられている鯉は、一月 十日 天満宮から横曽根の報恩寺へ届けられ、性信上人の影前にお供えする。 ついで翌日 東上野の報恩寺へと移され、そして十二日 午前十時頃から厳かに 「俎開き」の儀式が執り行われるのである。
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日報連 上村國夫氏 撮影
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